これからお話するのは、私がまだ独立する前の実話です。
突然こなくなった派遣社員
ある男性派遣社員が、夏季長期休暇のあと無断欠勤しました。
勤続2年、これまでは欠勤することはあっても電話の一本はくれていたので心配になってお昼前に電話をかけました。
すると、風邪をひいて休みたいとの事。その場は「お大事に」と声をかけて電話を切りました。
・・・それから3日後。
彼の奥さんが別の部署で同じく派遣として働いていたこともあり、「旦那さんの容態はどうなの?」と聞いた所、思いがけない返答が・・・
実は、盆休み前から次の仕事を探していて、戻る気はないとの事です。
一瞬頭の中がナゾだらけになり、本人に電話したところ、同じ回答が返ってきました。
はあ????
とりあえず、継続する意思はないことのみを確認して電話を切った後、数々の疑問と怒りがこみ上げてきました。
「なぜ最初に電話した時、風邪とウソをついたの?」
「この3日間、補填のアクションをすることなく待っているのはどう思ってるの?」
「こっちから電話しなけりゃどうするつもりだったの?」
「彼女(奥さん)は、なぜ悪びれもせず勤めていられるの?」
とりあえず派遣会社さんに連絡したところ、先方も初耳だとの事で、お詫びと共に次の人材派遣の手配をしていただきました。
その時聞いた話では、「気に入らなかったら、会社を転々と出来るのが派遣のメリット」と考えている人が少なからずいるという悲しい現実。
これは10年以上前の話であり、いま私には上司も部下もいません。
今の派遣社員の考えも分かりません。
ただ最近のニュースなどを見る限り、こうした若者が増えているような印象を受けます。
退職届をLINEで出すのはあり?
石の上にも3年とは過去の話で、今は次から次へと転職する時代である。わたしもこの考えには大いに同感です。
堀江貴文氏が提唱する「多動力」にあるように、多方面に才能を伸ばすのは良いことでしょう。
そして電話よりもメールの方が相手にとって効率が良いのも、その通りで納得です。
退職願は紙だろうがLINEだろうが、口頭であってもどうでもいい話です。
ただ一点、どうしても残念なのは「信用」をないがしろにする行為です。
「信用」は会社にとってもっとも大切なもののひとつであり、得るためには長い年月を要し、失うのは一瞬という特性があります。
それは個人に置き換えても同じことが言えるでしょう。
アルバイトによる不用意なSNS炎上もそうですが、彼らには会社の信用、そして自分の信用という概念が欠落しているとしか思えません。
もしかしたら「アルバイトだからやったのであって、社員になればやらない」とくだらない言い訳をするのかも知れません。
また、辞める会社などはどうでもよく、新しい会社の面接ではきれいごとを並べているのかも知れません。
但し、それらは低レベルな御託を並べているだけで、全て自分への甘えが起こしている行動に他なりません。
一見自由な発言をし、若者に共感を得ているニューリーダーたちも皆一様に「信用」に重みを置いているはずです。そうでなければ第一線で長年活躍できるほど甘い世界ではありません。
これはいちいち意識するまでもなく、生き方のベースとなることです。
連絡もなく退職した彼が、その後どんな人生を歩んでいるのかは知りません。
(後日談では、奥さんは離婚して実家へ帰ったと聞きました)
ブラック会社や、簡単に辞められない悩みなど、昨今は単純に従業員だけを責められないケースもあるでしょう。
もしそうした劣悪環境に耐えているのなら、直ぐにでも転職をおすすめします。
ただ、そうした風潮にかこつけている「身勝手労働者」が多いのも事実。
共に幸せになる為には、互いの信用が絶対条件です。
信用ある行動はやがて信頼となって、必ず自身にプラスとなる事でしょう。
会社側も従業員側も、今いちど原点に戻って行動してほしいと願います。